ブログ移転のお知らせ
ひさしぶりの投稿です。
ありがたいことにこのブログを見てくださる方が増えたこともあり、ブログをお引越しすることにしました。
これまで書いた記事も全部移動させてます。
今後は新しい方のブログを更新していくのでよかったらこれからも見てください!
↓移転先↓
虫歯レベルC3の治療方法【クラウン選抜総選挙】
今回はC3の重度の虫歯のときの治療方法についてご紹介したいと思います。
※C1,C2の治療方法についてはこちら↓↓
C3とはどういう状態?
C3になると歯の神経に近いところまで虫歯が進んでいて、何もしてなくても痛いという状態です。
奥歯(臼歯)の断面図です。
赤い紐のようなものが歯の神経ですが、すぐ近くまで虫歯が広がっていることがわかります。
この状態の虫歯を削るとほとんどの場合で神経が出てきたり、神経まで感染が進んでいたということになるので、神経を抜く処置が必要になります。
神経を抜いてから治療完了までの流れはこんな感じ。
- 神経を抜く
- 土台(コア)を入れる
- 被せ物(クラウン)を入れる
それぞれの処置について詳しく解説していきましょう。
神経を抜く処置ってどういうことするの?
神経を取る処置のことを専門用語で「抜髄(ばつずい)」と言います。
神経のことを「髄(ずい)」と言うので、髄を抜くという意味ですね。
神経は歯の中の管のようになっているところに通っています。
上の画像の赤黒くなっているところがその管です。
そこに爪楊枝のような細い器具を入れます。
神経は透明でちょっとどろどろしていて、汚い表現ですが鼻水みたいな感じです。
この爪楊枝みたいな器具はリーマーと言って、先がギザギザになっているのでこれで管の中をくりくりほじって神経を絡めとります。
神経を取った後は管の中を消毒して虫歯菌を殺菌しますが、消毒1回だけではしっかりと殺菌ができないので、2~3回消毒を繰り返すのが普通です。
消毒をしている間は長く期間を空けると逆に細菌感染のもとになるので、1週間~長くても2週間に1回は消毒を行うようにします。
この消毒をする処置のことを「根管治療(こんかんちりょう)」略して「根治(こんち)」と呼んでいます。
英語で「Root Canal Technic(ルート・キャナル・テクニック)」と言うので、頭文字から「RCT」と言うこともあります。
この期間こまめな通院が必要でめんどくさがって途中でやめちゃう人がいますが、消毒途中で治療をやめたらその歯は死んだものと思ってください。
ほとんどの場合でその先の末路は抜歯です。
歯の根だけでも残っている状態と完全に歯がない状態では、治療にかかる期間も値段も大きく変わってきます。
歯の根だけでも残せるうちにきちんと治療を終わらせましょう。
消毒を繰り返すとこのように管の中がきれいな空洞になります。
空洞の状態だと歯の耐久性が落ちる&また細菌に感染しやすくなってしまうので、特殊な薬を入れて蓋をします。
この蓋をする処置のことを「根管充填(こんかんじゅうてん)」略して「根充(こんじゅう)」と呼んでいます。
英語だと「Root Canal Filling(ルート・キャナル・フィリング)」なので頭文字から「RCF」と言うこともあります。
根充は中に唾液が入るとアウトなので急いでやらないといけません。
助手の仕事も大変なんだけど終わったときに達成感を感じられるので結構好きでした。
上の画像のピンクの部分のように管の4分の3くらいまで蓋をします。
空いている上のに方は土台(コア)を入れるため空けています。
そしてこの土台から自費診療と保険診療が分かれます。
土台を自費のものにしたら治療が終わるまで原則自費診療のみと決められているので、土台に何を選ぶかが重要になります。
ちなみにここまでで治療費は保険使ってだいたい3000円くらい。
前歯か奥歯かで多少変わります。(奥歯の方が高い)
土台(コア)って何?どうして要るの?
土台は神経を取った歯を補強するための支えになるものです。
このように土台を根の中に差し込むので、よく「差し歯」と言われていますね。
保険の土台(コア)について
保険適用だと銀合金で作られた金属の土台が一般的です。
保険3割負担で1,000円くらい。
少し前に歯科の規則が変わって、後から紹介するファイバーコアの低ランク版を保険でも使えるようになりましたが、使える条件が限られているので相変わらずこの金属の土台が主流となっています。
上の画像はちょっとオーバーですが、根っこの真ん中くらいまで土台を入れて、それより下は蓋の状態のままというように治療します。
金属の土台は強度が高いので土台自体が割れることはありません。
ただ、歯は噛んでいるときや歯ぎしりなどで前後左右に動きますが、金属の土台が入っているところは動かず、入っていない根の先端の方は動くことになるため、土台と根の蓋した境目から根が割れてしまうリスクがあります。
上の画像で言うとグレーとピンクの境目部分ですね。
根が割れてしまうともうその歯は残せないので、抜いて入れ歯かインプラントかブリッジにするしかありません。
また、金属アレルギーの心配や、金属イオンが溶けだして歯が黒くなるということも起こる可能性があります。
それから、土台は接着台で根の中に固定するのですが使える接着剤が決められていて、経年劣化で接着力が弱くなって外れてしまうことが多い接着剤になっています。
さらにさらに、土台の上に被せる被せ物(クラウン)の材質次第では、土台の色が透けて被せ物が暗く見えることがあります。
未来のことを考えるとデメリットが多いのでおすすめしません。
- 保険が使えるので安い
- 硬すぎるので歯が動くと土台と根っこの境目から歯が割れる可能性がある
- 金属アレルギーの心配がある
- 金属イオンが溶け出して歯や歯茎が黒くなる
- 接着剤が溶けて外れることがある
- 色が透けて被せ物が暗く見える
自費の土台(コア)について
自費で使う土台はグラスファイバーでできたファイバーコアと呼ばれるものが一般的です。
保険適用外で1万円~2万円くらい。
先ほど保険適用でもファイバーコアが使えるようになったと言いましたが、保険適用で使えるのは決められたメーカーのもので、自費診療で使われているものより質が劣ります。
イラストのように根の形にぴったりはまるように作ったものを接着剤でくっつけたり、棒状の芯と樹脂を使って作っていったりといくつか方法があります。
どのような方法で作っても色は白色なので、金属の土台のように色が透けて被せ物が暗く見えるということはありません。
ファイバーコアは歯と同じくらいの硬さなので、歯が動いたときに金属の土台のように境目で割れるという心配がありません。
もちろん金属不使用なので金属アレルギーの心配や黒くなる心配もありません。
ちょっと高いけど今後長く良い状態で歯を使うためにはファイバーコアがおすすめです。
また、土台を入れた後は被せ物(クラウン)を入れることになりますが、きれいな見た目のセラミックを入れるためには自費のファイバーコアにしないといけないので、セラミックを検討している場合は自費のファイバーコアを選びましょう。
ちなみに保険適用のファイバーコアの上にセラミックを被せることは禁止されています。(すでに治療したことのある歯の被せ物だけ替える場合はOK)
- 歯と同じ硬さなので歯が動いても割れる心配がない
- 変色しない
- 根っことのなじみがいい
- どんな被せ物を入れても色の見え方に影響がない
-
保険がきかないため高額
最後は被せ物(クラウン)を入れて完成
土台を入れたらあとは被せ物(クラウン)で蓋をして完成です。
クラウンも保険診療と自費診療で使えるものが分かれています。
保険の被せ物について
再登場歯式くん。
保険の被せ物は部位によって使える材質が変わります。
このように大きく3つに分かれています。
※特例で大臼歯にもCAD/CAM冠が使えるようになりましたが、条件が厳しいので今回は除外してます。
前装冠(ぜんそうかん)とは?
前装冠は表が樹脂、裏が金属になっている前歯専用のクラウンです。
つまり唇側は歯の色に近い色で、口を開けると内側は金属になっているということですね。
口を開けるとちらちら金属が見え隠れします。
樹脂の部分は周りの歯に近い色を選べますが、1色のべた塗りなので天然の歯のような透明感はつきません。
また、汚れがつきやすく、食べ物の色の吸収や経年劣化で結構すぐに変色して黄ばみます。
あとは金属の土台と一緒で金属アレルギーや歯茎の変色を引き落とす可能性があり、接着剤も土台で使うものと同じなのでそのうち外れる恐れがあります。
前装冠はこんなにデメリットが多いのに保険を使っても1本8000円くらいします。
やっぱり保険適用のものは難ありですね。
前装冠に8000円出すなら比べ物にならないほどきれいなオールセラミックの元手にした方がいいと思ってます。
- 保険が使えるので安い
- 樹脂が変色して黄ばんでいく
- 金属アレルギーの心配がある
- 金属イオンが溶け出して歯茎が黒くなる
- 接着剤が溶けて外れることがある
CAD/CAM冠(キャドキャムかん)とは?
CAD/CAM冠(キャドキャムかん)は樹脂のブロックを機械で削り出して作る、全部樹脂で金属を使っていない被せ物です。
樹脂だけだと強度があまりないので比較的力が入らない小臼歯のみに使います。
でも歯並びやかみ合わせの癖なんかで小臼歯にガンガン負担がかかる人もいるので、そういう人には使えません。この後で紹介するFMCを使います。
材料は前装冠に使う樹脂とほぼ同じ。なのでそのうち変色します。
全体的に白っぽい仕上がりで正直安っぽい見た目です。
また、金属の土台の色が透けやすい材質で、CAD/CAM冠自体が新品でも内側からぼんやりと黒さが出て暗く見えがちです。
CAD/CAM冠には金属は使わないのでアレルギーや歯茎の変色は避けられますが、大抵中の土台に金属を使っているのであんまり意味がないのが実際のところ。
こちらも前装冠と同じで1本8000円くらいなので、やっぱりオールセラミックの資金に充てた方がいいんじゃないかなぁと思います。
- 保険が使えるので安い
- 金属不使用
- 変色して黄ばんでいく
- 強度が低いので割れやすい
FMC(えふえむしー)とは?
Full Metal Crownの略で『全部金属のクラウン』の意味です。
昔はFCK(full cast krone)と呼ばれてました。
kroneとはドイツ語(他にもデンマーク語とか)でcrownのこと。
castは英語で『金属を鋳造する』という意味です。
full castは英語なのにkroneだけドイツ語でごちゃまぜ状態だったのが全部英語のFMCに変わりました。
個人的には医学用語=ドイツ語って感じがあるので貴重なドイツ語が無くなって悲しいです。
FMCは言葉の通り全部金属でできたいわゆる『銀歯』ですね。
CAD/CAM冠が使えない小臼歯と、大臼歯全部に使います。
1本4000円くらいで一番安い被せ物で、樹脂を使ったものより強度もあります。
メリットは以上。デメリット大量。
まず見た目が悪い。
虫歯を治療せず放置していないだけえらいですが、せっかく治療するなら虫歯を繰り返しにくくて見た目も良いオールセラミックにすればいいのになぁと思います。
そして金属の土台+金属の被せ物の金属ダブルパンチで、歯茎の変色がより起こりやすくなります。
治療してるときはお金勿体ないからってFMCにして、数年後に歯茎の変色が気になるから治して被せ物もセラミックにしたいと言う患者さんはかなりいます。
歯茎の変色を治すためにはレーザーで焼いたり薬を塗って漂白っぽいことをしたりしますが、どれも基本的に保険がきかず自費診療扱いです。
※ガムピーリングと言います。また別記事で詳しく紹介します。
軽度だと3000円くらいでできる医院もありますが、前歯全体の歯茎の漂白とかになると1万円超えもあります。
変色は放置すればするほど範囲が広がって、広がれば広がるほど完治が難しくなります。
後から問題がでてきてまたお金がかかるなら、1回治療したらその後に問題が起こりにくいものの方がよくないですか?
もー日本って保険医療が整ってるとか言うけど、結局使ってるもの質悪いしダサいしFMCなんて恥ずかしくて海外の人には見せられません。
治療した後にも問題が起こるなんて治療方法としてどうなの?って感じだしまったくおすすめできません。
- 保険が使えるので安い
- 強度が高いので割れにくい
- 金属アレルギーの心配がある
- 金属イオンが溶け出して歯茎が黒くなる
- 接着剤が溶けて外れることがある
自費の被せ物について
自費の被せ物の代表はセラミックです。
セラミックにも種類がたくさんあるので別記事にまとめてます↓↓
ここではセラミック以外の自費の被せ物について紹介しますね。
金の被せ物
詰め物(インレー)のときにも紹介した歯に優しいゴールドの被せ物。
大きさと金の純度で価格は変わりますが、1本5万円~7万円くらい。
金属だけどアレルギーが出にくい、金属イオンの溶け出しもしくいから歯茎の変色も起こりにくい、柔らかいのでかみ合わさってる反対側の歯を傷めないと有能です。
ただまぁ問題は見た目。
なんか金歯って借金取り立て屋のボス(身長が低くて小デブでガマガエルみたいな顔でド派手なスーツ)みたいな悪人のイラストでよく描かれてるイメージがあって、結構印象悪いんですよね個人的には(^-^;
性能はピカイチなのにな~もっといいキャラクターに使ってイメージアップしてくれないかな~
- 割れにくい
- 物自体を薄く作ることができるので歯を削る量が少なく済む
- 金属の溶け出しによる着色がほとんどない
- きちんと使えば何十年と長持ちする
- 柔らかいので噛むときに当たる反対側の歯を傷つけない
- 保険が使えないため高価
- 見た目が悪い
まとめ
神経を抜くことになるとかなり大掛かりな治療になります。
どこか1本だけの治療でも全部終わるまで2~3ヶ月はかかります。
そして1週間~2週間に1回くらいの細かい間隔で通院が必要です。
期間はかかるし通院もこまめに必要だし、おまけに天然の歯のようにきれいな見た目にしたいなら何万円と高額な費用がかかります。
まずは何よりも神経を取るレベルまで虫歯を進行させないこと。
そのためには
- 定期的に歯医者に通って虫歯がないかチェックしてもらうこと
- 虫歯が見つかったら放置せずにすぐ治療すること
これが大切です。
神経を取って被せ物にしないといけなくなったときは、目先の安さにとらわれず長いスパンで今後のことを考えて、土台と被せ物の材質を決めてほしいなと心から思います。
よくある質問まとめてみました ①
歯科医院で働いているときによく聞かれた質問や退職後もよく聞かれる質問をまとめてみました。
Q. 歯が痛いんだけどどうしてだと思う?
A. わかりません。
単純に「歯が痛い」ということでもいろんな原因が考えられます。
- 虫歯が原因
- 知覚過敏が原因
- 歯周病が原因
- かみ合わせが原因
虫歯が原因なのは、歯に穴が開いていたり、神経の近くまで虫歯が進んでいるというときですね。
虫歯について詳しく知りたい人はこちら
知覚過敏は昔はなにそれ?って病名でしたが、今は一般常識になりましたね。
ご存知の通り冷たいものや甘いものを食べたときや、風が当たったときなどにしみることです。
原因としては
- ガシガシ歯みがきしすぎて歯の表面のエナメル質がすり減ったせい
- 歯ぎしりのせいで歯がすり減ったせい
- 歯茎が痩せて歯の敏感な部分が露出してきたせい
- 酸性の食べ物や飲み物で歯が溶けたせい
などが挙げられます。
子どもの頃親に「炭酸ジュースばっか飲んでたら歯が溶けるよ!」なんて言われたことがあるかと思いますが、これは本当です。
といってもただのおやつ程度なら大丈夫ですが、毎日水分はコーラしか飲まないというような極端な生活を続けると溶けます。
ちなみにわたしはビールとピクルスが好きですが、酸性×酸性なのであまり好ましくないです。でもおいしいからやめられない。アジの南蛮漬けとか。
歯周病で歯茎が腫れているときも痛みを感じることがあります。
歯と歯茎の境目がぶよぶよとしていたり、赤くなっていたり、歯ブラシを当てると血が出るときは歯周病の可能性大。
歯周病の原因は汚れが取り切れていないせいなので、正しい歯みがきの仕方を学びましょう。
「歯みがき指導なんて子どもがやるものでしょ」と思っている大人がほとんどですが、ちゃんと歯みがきできていたら虫歯にも歯周病にもなりません。
虫歯や歯周病になったら歯みがきの仕方が間違っていることを自覚して、恥ずかしがらずに歯みがき指導を受けてください。
正しい歯みがきの仕方を覚えなければ永遠に虫歯と歯周病を繰り返します。
通っている医院の美人orイケメンスタッフが目当ての人、虫歯や歯周病になれば会いに行けるなんてサイコパスチックな思考やめましょう。
虫歯とか歯周病になってる人のことをプロが好きになるはずありません。
というかむしろ「いつになったら真面目に歯みがきしてくれるんだ」とマイナスイメージしかありません。
何の口腔内トラブルもなく定期検診に通ってくれる患者さんの方が好印象ですよ。
\ 頼むからちゃんと歯みがきして /
虫歯も歯周病にもなっていなくて歯が痛いときは、食いしばりや歯ぎしりの癖がないか確認してみましょう。
特にスポーツをしている方は無自覚のうちにぎゅっとかみしめていることが多いです。
また、ストレスや寝苦しさから寝ている間に歯ぎしりをしている人も多くいます。
重くて持てなかった荷物も食いしばって力を入れたら持ち上がったということもあるくらいなので、力を入れて何かをするときは食いしばっていることがほとんど。
食いしばりや歯ぎしりは場合によっては自分の体重の5倍以上もの負荷がかかるというデータもあるくらい、思っているよりもずっと多く負荷がかかっています。
意外かもしれませんが人間の正常なかみ合わせだと、食事や会話時以外で上下の歯が噛んでいる時間は1日でたったの約20分と言われています。
一般的に口を閉じている状態=唇が閉じている状態を指していて、口の中では上下の歯は数mm開いているのが正常です。
その他に、頬杖をつく癖がある人はあごの骨が歪んでかみ合わせが変になって、ずっと上下の歯がかみ合わさっている状態になるというパターンもあります。
虫歯や歯周病にはなっていないのに歯が痛い人は、
- スポーツをよくしていて食いしばる癖がついていないか
- 寝ているときに歯ぎしりをしていると誰かに指摘されたことはないか
- 普段から上下の歯がぎゅっとかみ合わさっている状態になっていないか
- 頬杖をつく癖がないか
といったことを確認してみてください。
でも結局口の中見てみないと原因つきとめることは不可能だから歯医者行ってね。
Q. 歯ブラシってどの硬さ使えばいいの?
A. 『やわらかめ』か『ふつう』がいいです。
『かため』ははっきり言って存在意義がわからない。
『かため』の歯ブラシをグーで握ってゴシゴシ磨いてる人。
歯をカンナがけしてるのと同じです。歯がすり減って弱くなるので今すぐやめてください。
ベストな歯ブラシの持ち方はペンと同じ。握るのは力が入りすぎるので大人はNG。
こんな感じ。
わたしも歯科医院で働くまでは握り持ちをしていて、おそらくそのせいで前歯の表面が削られて知覚過敏になりました。
歯ブラシの硬さが『ふつう』や『やわらかめ』でも握り持ちは力が入りすぎるので、ペン持ちに変えるようにしてください。
歯がすり減るとわたしのように知覚過敏になったり、虫歯になりやすくなったりするので要注意。
「『やわらかめ』だと磨いてる感がないからちゃんと磨けてるかわからない」と言う人がいますが、『やわらかめ』でもちゃんと磨けます。
歯みがきは歯1本1本を順番に磨く小刻みな動きが一番いいので、それを守れば『やわらかめ』でも汚れを落とすことができます。
また、『かため』だと歯茎も傷つける可能性があり全くおすすめできません。
わたしはもう5年以上やわらかいタイプしか使ってなくて、虫歯にも歯周病にもなったことないです。
だから『やわらかめ』でも歯みがきの仕方をきちんとすれば大丈夫。
正しいブラッシングを身につけることが大切です。
今回は以上です。
他にもよく聞かれる質問はいくつかあるのでまたご紹介したいと思います。
歯科衛生士と歯科助手の違いとは?初診の流れも徹底解説
大事なことを書いていないことに気が付きました。
本当に全く歯科知識がない人は、そもそも歯科衛生士と歯科助手の違いがわからないのでは?と。
ばかにするなと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実際わたしの周りにそういう人がいたので説明しておきたいと思います。
歯科業界の頂点。ご存知だと思いますが、大学の歯学部を卒業して国家資格の歯科医師免許取得者のみが行える職業です。
家族で継いでいくことが多く、今の院長先生は二世や三世が多い気がします。
歯科医院開業は初期費用が高いので、二世や三世で親の医院貰いました、リフォームも設備の新調も必要ない!ってところは高確率でお金に余裕がある。
◎歯科衛生士◎
専門学校を卒業して国家資格の取得が必要。
歯みがきや歯のおそうじのプロで、人によっては歯科医師より知識が豊富なことも。
検診、歯石除去、歯みがき指導、ホワイトニングが主な仕事。
歯を削ること以外ほとんどできます。
国家資格なのに給料低い、先生と合わない、衛生士同士もしくは対助手で派閥争いが陰湿、といった問題を中心に辞める人が多く、どこの医院も常に人材不足になりがち。
すごく優しい人も勿論いるけど、助手を完全に格下に見てバカにしてくる人もいる。(体験談)
◎歯科助手◎
先生のサポートが主な仕事。常に患者さんの左側に立ってる人。
患者さんにエプロンをつけたり、バキュームで水や唾を吸い込んだり、先生に器具を渡したりします。
特に資格なしで誰でもできます。助手兼受付として働いている人が多数。
専門用語など覚えることがたくさんあることに加え、先生の癖も覚えて先生が望むように先回りして動かなきゃいけないので、視野が広くて勘が良い人が向いてる気がします。
そのせいか仕事できる人とできない人の差が激しい。
仕事できるボス的立ち位置の人は、衛生士さんとめっちゃ仲良いか衝突してるかの両極端なイメージ。
このように歯科衛生士と歯科助手はできる仕事が全然違います。
が、実際は助手に衛生士の仕事をさせている医院も結構あります。
衛生士と助手の見分け方についてはこちらに詳しく書いてるので見てみてください。
ついでに初めて行った医院(初診)での大まかな流れの説明も。
1. 予約を取る
当たり前でしょと思うかもしれませんが、当日飛び込みで治療してもらえると思ってる人が結構います。
内科とかは予約要らないからですかね?
あと電話きても「今日今からいいですか?」とか。
普通の医院であればまず1週間くらい先じゃないと空きがありません。
余裕を持って早めに予約しておきましょう。
2. 問診票の記入
どこの医院でも書かされるので予約時間の5分くらい前に行くといいです。
保険証をお忘れなく。
3. 検査
痛い、虫歯を治してほしい、被せ物取れたといった検診目的以外の理由であっても必ず検査をします。
検査の内容は歯式を取る(歯の状態をメモすること)、歯周病検査、レントゲン撮影です。
たまに頑なにレントゲン撮影を拒否する人がいますが、レントゲンを撮らないと歯茎より下の見えない部分(歯の根)やあごの骨や神経の状態がわからず、正確な診断と治療をすることができません。
レントゲンを撮らずに虫歯治療をすることは「見えるところの虫歯だけさくっと取って削ったところ治しといて!ざっくりでいいから!」ということと同じです。
そしてそういう人ほど、後から虫歯が取り切れていなかったことが発覚すると医療ミスだとか言ってくるパターン。
きちんとした治療を受けたいならレントゲンは必ず撮ってください。
4. 治療
実際に口の中を見てみないことにはどんな治療が必要かわかりません。
なのでまずは歯医者に行く。これが大切です。
5. お会計と次回の予約
ごくまれに受付の人が保険証を返し忘れることがあるので、返してもらったか確認してください。
スケジュールがわかっていたら次の予約を取って帰ることをおすすめします。(治療終了の場合を除く)
「また改めて電話します」にすると大抵電話しないままずるずる月日が経ちます。
治療途中の放置は状態を悪化させるだけです。ちゃんと最後まで通いましょうね。
予約取ったら無断キャンセルだけはやめてください。無断キャンセルをした奴に人権はない。
キャンセルの連絡は基本前日までにはしましょう。
基本的に当日にキャンセルの連絡をしても、空いたその時間に代わりの予約が入ることはほぼありません。
なので人件費、光熱費などが全部マイナスになります。
お願いだからキャンセルなら早めに連絡して。
ということで歯科衛生士と歯科助手の仕事内容は全然違います。
きちんと区別して誰がどの立場なのか見極めることが、質の良い治療を受けられるポイントになります。
”女性スタッフ”とひとまとめにしないで注意してスタッフの様子を見てみてください。
(男性の衛生士さんと助手さんは見たことないのでもしいらっしゃったらすみません)
良い歯医者の見分け方
たぶん日本全国どこ行っても歯医者はコンビニレベル、もしくはそれ以上に存在します。
歯医者の隣の隣のビルにまた歯医者とかざら。
数が多すぎてどこに行けばいいかわからない状態です。
わたしも元勤務先には行きたくないので、かかりつけにできる医院を探してます。
そもそも何を基準に「良い歯医者」とするか。
わたしは「治療が上手な先生」が第一優先です。ほとんどの人がそうだと思います。
でも治療が上手い下手って、実際に体験するか、その医院で働いて治療の様子を見ないと判断できません。
ということで事前に把握するのはほぼ不可能です。
口コミを見て決めるのもありだと思いますが、個人的にはネットの口コミはあてにならないと思ってます。
良い口コミに関しては、「予約が取りやすい」「立地が良い」こんな内容で良いとするものがわんさかあるし、スタッフにヤラセで口コミ投稿させてる医院も見たことあります。
逆に悪い口コミは、「いつも混んでる」「希望通りの治療をしてくれなかった(無理難題を言っているのは自分なのに)」と、明らかにいちゃもん意見もあって、何が真実かわかりません。
じゃあどうやって医院を絞り込むか。
最も確実な方法は「歯科関係者の知り合いを作っておすすめを聞く」です。
一番は歯科技工士。
技工士とは被せ物や詰め物、入れ歯を作っている人のことです。
先生が歯を削って型を取ったものから被せ物などを作っていきます。
つまり先生の腕の良し悪しをよく見て知っているということです。
電話で細かい打ち合わせをして作ったり、できあがったものを直接医院へ持ってきてくれるところもあるので、先生と会話して人柄も知っている可能性が大。
患者さんへの対応はいいけど、医院スタッフや業者にはめちゃくちゃ上から目線で大柄ってドクターもいますからね。
技工士以外にも器具や材料メーカーの人なんかもいろんな医院を知っているのでいいと思います。
と言っても、歯科関係者なんて出会える可能性低いし、仮に出会えたとしても、よっぽど信頼している相手じゃないと、仕事に関わることなので詳しくは教えてくれないでしょう。
だから事前に把握するのはほぼ不可能なんです。
1回行ってみる。これは避けられません。
ただその1回目である程度アリかナシかを決めることはできると思ってます。
わたしが医院を探すときには以下のことを注意するようにしています。
- 治療を始める前に、全体の流れとこれからどんな治療をするか説明をしてくれる先生
- 予約をダブルブッキングさせない
- 受付に固定のスタッフがいる
- 平日夕方以降と土曜日の予約がある程度混んでいる
- 助手に違法行為をさせない
順番に説明します。
- 1.治療を始める前に、全体の流れとこれからどんな治療をするか説明をしてくれる先生
- 2.予約をダブルブッキングさせない
- 3.受付に固定のスタッフがいる
- 4.平日夕方以降と土曜日の予約がある程度混んでいる
- 5.助手に違法行為をさせない
1.治療を始める前に、全体の流れとこれからどんな治療をするか説明をしてくれる先生
「ここ虫歯だから治療しますねー」でイスを倒して削り始めるドクター。論外です。
前に説明した通り、虫歯治療は段階によって内容が変わって、虫歯が大きいと詰め物や被せ物が必要になります。
そして保険治療と自費治療に分かれ、材質の良し悪しと金額が雲泥の差に。
削るだけ削って「ここ詰め物にするしかありませんねぇ。保険だと銀で、白くてきれいなセラミックにしたかったらウン万円だけどどうします?」と、削っちゃって逃げられない状態になってから言い出すドクターかなりいます。
しかも「今決めてくれないと今日型取りできないよ」と脅迫めいたことまで言われる場合も。
そんな状態だと安い保険のでいいやってなっちゃいますよね。
でも保険のものはデメリットがたくさんあります。安易に決めると後悔します。
確かに、削ってみないと虫歯がどこまで広がってるかわからない、ということはありますが、最初から詰め物や被せ物になる可能性が高いとわかることだってあるので、そういうときには事前に材質のメリットデメリットと金額を教えてほしいですよね。
歯を削り始める前に、行う治療の内容説明と、自費に分かれる可能性があるのかを教えてくれる先生がしっかりしていていいと思います。
2.予約をダブルブッキングさせない
これは勤務時代にも患者としてある医院にかかったときにも体験しました。
普通だったら、治療に30分かかる患者さんが10時に入ったら、次の人は10時30分からと、所要時間を考えて先生1人につき1人ずつ予約を入れていくでしょう。
でも、医院によっては、10時にAさんとBさんの2人の予約を取っているという場合もあります。
Aさんは虫歯治療で通院中で、Bさんは歯が痛くて初めて来た人としましょう。
Aさんは今日は麻酔が必要です。麻酔を打ってから効果が出るまでしばらく時間を置くことが大半です。
なので、時間を置いている間に先生はBさんの方へ行って話を聞き、助手にこれからやる処置を伝え、助手が道具の準備などをしている間にAさんの方へ戻るというような同時進行をしています。
一見うまく待ち時間を利用しているように思えますが、10時に同時に来たらBさんは先生が来るまで診察台で待たされることになります。
大抵先に助手や衛生士から症状がある箇所についていろいろ質問され、待ち時間はないように感じますが、話を聞いても先生以外は治療内容を決めることはできないため、やはり後から先生がもう一度話を聞いて、どんな治療にするか決定することになります。
わたしが助手として働いているときも、この説明の時間つぶしはよくやってました。
細かく話を聞いて先に先生に伝えますが、結局先生からも同じことを聞くことになるので、はっきり言ってムダです。
当時も今もまさに時間つぶしとしか思ってません。
患者さんの中には先生から同じことを聞かれて「さっきスタッフさんにも言ったんですけど~」と前置きをつける人もいました。
当たり前ですよね。数分前に聞かれたこととまったく同じことを聞かれるんですよ。
さっきのやり取りはなんだったの?って感じだし、気になる人だったら「さっき説明したのにバカにしてんのか?」と思う人だっているかも。
衛生士がいれば先に初診の検査を進めることもできますが、助手しかいないところは何もできません。
そして、助手しかいないことがわかることがとても重要で、後のことに繋がります。
それは後で説明するとして、予約がダブルブッキングしていると、これ以外にもムダな待ち時間が発生しがちです。
頻繁に「うがいしてお待ちください」と椅子を上げる医院はダブルブッキングさせてる可能性が高いと思います。
ではなぜダブルブッキングさせるのか。
おそらく売り上げのためでしょう。
歯科の保険料は安く、内科などの他の病院と比べて1人にかかる時間も長いため、より多くの患者さんを診ないと利益が出ません。
なので、1人15分くらいにしてたくさん数を入れたり、ダブルブッキングさせて数を増やしたりしている医院が多くあります。
しかし患者さんはそんなこと知りません。
そもそも予約制で予約時間通りに行っても待たされるってありえないですよね?
わたしが患者として行った医院でダブルブッキングされた話はこちら↓↓
3.受付に固定のスタッフがいる
スタッフが少ない医院だと、先生、衛生士、受付兼助手の3人で回してるところがあります。
もっと少ないと先生と受付兼助手の2人。
そういう医院は、診療時間内なのに電話が繋がらなかったり、医院に入ってもスタッフが誰もいなくて立ち往生になるということが起こりがちです。
助手がばたばたと受付と診療室を行ったり来たりしている医院は、売り上げがない(人件費削減)、人気がない、先生の腕が悪い、スタッフが辞めたくなる理由があるというようなマイナスイメージしか思い浮かびません。
金銭的にもスタッフ数的にも余裕がある医院は、確実に誰か一人を受付に固定で置いているでしょう。
スタッフが少ない、慌ただしい医院は要注意です。
4.平日夕方以降と土曜日の予約がある程度混んでいる
平日夕方~夜と土曜日は歯科医院が最も混雑する時間・曜日です。
人気の医院だと土曜日は1ヶ月待ちというところもザラ。
逆にどこの医院でも混雑するこの条件で楽に予約が取れるところは、患者数が少ない可能性大。
たまたまキャンセルが出て早く予約が取れたということもありますが、いつも空いているようだと何か問題があって人気がない可能性があります。
5.助手に違法行為をさせない
このブログが消されたらこの項目のせいでしょう。たぶん。
歯科業界には、暗黙のルールで「グレーゾーン」と呼ばれるものがあります。
歯科助手にどこまで仕事をさせるかということです。
法律上では、歯科医師の資格がない人は歯科医師業務をしちゃいけませんよ、歯科衛生士の資格がない人は歯科衛生士業務をしちゃいけませんよとなっています。
なので、基本的に歯科助手は患者さんの口の中を触っちゃいけないことになっています。
ただ、明確にこれはしてはいけないと書かれている法律がないことと、現場で致し方ないときもあるため、どの仕事までがOKなのかの線引きが曖昧になっています。
例えば子どもが泣きわめいて口を開けてくれないとき。
助手が指で口を固定させてる隙に先生がささっと歯ブラシをするということがあります。
これは仕方ない場合としてOKでしょう。
但し、歯ブラシ自体も助手がやっていると違法行為です。
歯ブラシによるブラッシングは歯科衛生士の業務です。
それ以外によくあることとしては、詰め物や被せ物を付けた後に、はみ出た接着剤をきれいに取り除くこと(セメント除去と言います)、歯の型取りをすること、歯の掃除をすること、レントゲンの照射ボタンを押すこと(これは衛生士もダメ)などがあります。
セメント除去と歯の掃除を助手にやらせている医院はかなり多いと思います。
歯の掃除も歯ブラシ、フロス、歯間ブラシならまだかわいいもので、酷いと衛生士がするべきである歯石除去までさせているところもあるくらいです。
歯石除去なんて失敗したら歯茎は荒れるし血は出るしで、歯周病の原因になる可能性だってありますからね。
ではなぜ違法というリスクを背負ってそんなことをしているのか?
まず、衛生士の数が圧倒的に足りてません。
ほぼほぼどこの医院も常に衛生士を募集してます。
衛生士は離職率が高く、資格を持っていてもなかなかやりたがらない人が多くいます。
先生や他のスタッフと相性が合わなかったり、給料が低かったりということが主な原因でしょう。
そして雇う院長側も、助手より衛生士の方が給料が高いため、できるだけ抑えたいという気持ちがあります。
なので、衛生士がいないから仕方なくか、衛生士より安く雇える助手にやらせればいいやと思っているか。
どっちにしろよくないことに変わりはありませんが。
ただ、衛生士も助手も大抵女性なので、誰が衛生士で誰が助手なのか見た目で見分けることは難しいです。
明らかに服装が違う場合もありますが、ほとんどの医院がみんな同じ制服だと思います。
大きな医院は名札に「歯科医師」「歯科衛生士」「歯科助手」とわざわざ書いている医院もありますね。
そういうところではまず違法行為はないでしょう。
わたしも名札をつける医院で働いたことがありますが、違法行為はまったくありませんでした。
じゃあ服もみんな一緒、名札もない医院でどうやって見分けるか?
最も簡単な方法は「歯石除去とその後の研磨を誰がやっているか」です。
衛生士がいたら、歯石除去も研磨も衛生士がやることが一般的です。
歯石除去は先生がやって、研磨で他スタッフに変わった場合、ほとんどのケースでそれは助手です。
歯石除去は助手にやらせるのはNGという風潮があり、やらせるドクターはあまりいません。
逆に研磨はOKとしているドクターは結構います。
衛生士だったらクリーニング関連はすべてひとりでできるので、先生が歯石除去をしてたら衛生士がいないかもしれません。
わたしも患者として行った医院で助手さんに違法行為をされたことがありますが、ものすごく下手じゃなければわざわざ指摘して揉めるのがめんどくさい&嫌だったらその医院にもう行かなきゃいいだけの話なので、そこに触れることはしてません。
指摘したら絶対揉めるし厄介者扱いされて二度とその医院には行けなくなりますしね。
間違っていることをしているのは向こうなんですがね・・・
ただ、やっぱり上に挙げたようなことをしている医院には、なんとなく嫌だなぁと感じるので再訪したいとは思いません。
技術、立地、予約の取りやすさなど、「良い歯医者」と決める基準は人それぞれだと思いますが、ひとつの判断材料として今回挙げた内容も注意してもらえたら、良い歯医者を厳選する助けになるんじゃないかなと思ってます。
こんな歯医者はやめておけ
自分がこれまで見てきた、おすすめしない歯科医院をご紹介します。
ダブルブッキング&違法行為歯医者
患者として検診&クリーニングで初めて行った医院です。
開院してから1年経っていないきれいなクリニックでした。
ちゃんと予約時間10分前に行って問診票を書き、予約時間までにはカルテ作りが終わっているのも確認。
おや?と思ったのが、朝一の枠で予約を取ったのに、患者さんが自分入れて3人いたこと。
もう少し遅い時間の人が早く来たのかもしれないし、自分は衛生士さんだけでもまかなえる内容なので、衛生士枠とドクター枠で別々に予約取ってる医院なのかなと思ってました。
呼ばれたのは予約時間5分後。
急いでいなかったのでいいんですが、何のために10分前に来たんだと思いつつ診療室へ。
ついたのは衛生士さんじゃなくて助手さんでした。(後でわかります)
ざっくり話を聞かれて「しばらくお待ちください」と助手さんはどこかへ。
そしてそれから5分以上誰も来ない!
ここでさっきのが助手さんだと確定しました。衛生士さんだったら検診できますからね。
一緒に待合室にいた患者さんが隣に呼ばれ、ささーっとそこへ行く先生。
そしてそのままその人の歯を削り始めて、予約がダブルブッキングしていると確信しました。
おいおいあと5分は放置されるじゃんと思いながら待機。
結局チェアに案内されて10分近く先生は来ませんでした。
その後「お待たせしました~」なんて言いながらやっと先生が来て、お決まりのさっきの助手さんと全く同じ質問をされ、やっと検診が始まりました。
「特に虫歯無いんでこのままお掃除して終わりにしますね」と言われ、まさかまた放置して隣行くか?と思いましたが、そのままスケーリング(歯石除去)を始めてくれました。
ちなみに隣の人は当然この間放置されてます。ダブルブッキングの闇。
そしてスケーリング後はどこも研磨をしますが、そこでまさかのさっきの助手さんに交代!
助手さんに機械で研磨をされました。
これ、衛生士の仕事なんで違法行為です。
まぁよっぽどのことがなければ口の中が傷つくことはないし、下手じゃなければいいやと思ってそのまま受けました。
特に問題なく、慣れてる感じでしたね。
スムーズにやったら20分で終わるのに、倍の40分はかかりました。
半分は待ち時間です。
ムダに待たされるわ、違法行為はされるわで最悪でした。
ダブルブッキングの相手もわたしの処置中待たされてかわいそうでしたし。
当然二度と行きません。
先日定期検診のお知らせハガキが来たけど速攻シュレッダー行き。
検診だけだといろんな歯医者回れるのでそこはいいですね。
次の歯医者探し中です。。。
セラミック=オールセラミックではない
セラミックの歯というのは今はかなり有名になり、ほとんどの人が知っていると思います。
では、セラミックにもいくつか種類があることはご存知ですか?
単純に「セラミック」という名前だけだと、セラミック100%じゃない材料の可能性があります。
ということでセラミックの落とし穴についてご紹介しますので、セラミック治療を検討中の人はしっかり読んでください!
知識ナシで治療するとまんまと騙されてしまうかもしれませんよ!
セラミックとはグループ名である
セラミックには大きく分けて2つの種類があります。
100%セラミックでできているものと、プラスチックや金属が混ざっているものです。
100%セラミックでできているものを「オールセラミック」と呼びます。
プラスチックが混ざっているものは「ハイブリッドセラミック」と呼びます。
金属の上にセラミックを塗っているものを「メタルボンド」と呼びます。
オールセラミックはさらにいくつか材料が分かれています。
この全部を合わせた総称が「セラミック」というわけです。
つまりこういうこと↓
なので、単純に「セラミック」としか書かれていないものだと、オールセラミックなのか混ざりもののセラミックなのかわかりません。
まずはオールセラミックとそれ以外の違いをしっかり覚えましょう!
インレーとクラウン両方ともセラミックがありますが、わかりやすいクラウンで説明します。
インレーでも使えるものはそれぞれ記載しますね。
オールセラミックとは
こんな感じで表も裏も中も外も全部セラミックだけで作られているもの。
金属やプラスチックは一切なしです。
なので金属アレルギーの心配や歯茎の変色、セラミック自体の変色は起こりません。
オールセラミックは大きく分けて下の3つの種類があります。
- セレック
- e.max(イーマックス)
- ジルコニア
セレックとは
セレックは専用の機械に歯の形を登録し、そのデータをもとに機械でセレックと呼ばれる材質のブロックを削って作るセラミックです。
最初から最後まで全部機械で作っていきます。
ブロックはこんな感じ↓↓
©Sirona Dental
昔からよくやってる型取りからでも作れますが、専用の3Dカメラを直接口の中に入れて歯の形をスキャンして作ることもできます。
©Sirona Dental
最大のメリットは1日で終わること。
早いと1本1時間くらいでできちゃいます。
型取りのむにゅっとした材料が気持ち悪いって人も多いので、それを避けられるのはいいかもしれませんね。
その代わり専用の機械が置いてある医院じゃないと1日の治療(ワンデートリートメントと言います)はできないので、医院選びは慎重に。
歯茎の状態が良くなかったり、何らかの処置が必要になったりすると1日じゃ終わらないこともあるのでご注意を。
また、機械で作ることから時間も人件費も削減できるため、比較的安く提供している医院が多いです。
インレーだと4万円くらい。クラウンだと6万円くらい。
デメリットとしては、安価とは言っても保険治療と比べると高くつくこと。
それから使える色が決められているので、自分の歯の色と合う色が無いということが起こることも。
特に天然の前歯は根元から先端に向かってグラデーションになっていて先っぽは透明感がありますが、機械で作るとそれらの再現ができません。
見た目のきれいさを求めるなら手作業の工程が入っているものの方がいいです。
- 変色や金属アレルギーの心配がない
- 表面に汚れがつきにくい
- オールセラミックの中では比較的安価
- 1日で終了できる
- 自費診療なので保険診療に比べると高価
- 色が合わない可能性がある
- ブリッジ(2本以上連結したもの)は作れない
e.max(イーマックス)とは
e.maxと呼ばれる材料のブロックを、最初はセレックと同じように機械で削って作りますが、途中まで機械で作って後半を手作業にするか、最後まで機械で作るかで物が違ってきます。
手作業で仕上げるものを「レイヤリング法」、最後まで機械で作るものを「ステイン法」と呼びます。
インレーとクラウン両方作ることができます。
レイヤリング法はセラミックの基礎となるフレーム(型枠)を機械で作り、その上にポーセレン(陶材)を手作業で塗って歯の形を作っていきます。
フレームとポーセレンで2層にすることで、天然の歯のような透明感やグラデーションをつけることができ、かなりきれいな仕上がりにできます。
なので特に前歯のクラウンにおすすめ。
ただし、透明感が強く中が透けやすいので、支台歯(土台)の色が濃かったり、金属が使われている場合は、その色が透けて暗く見えます。
また、強度の問題で奥歯にはあまり使われません。
ステイン法は機械で形を作り、最後に光沢と色を塗って仕上げます。
ポーセレンを使わずフレームの材料だけで形を作るので、レイヤリング法よりも強度が出ます。
負荷のかかる奥歯にはこのステイン法が使われます。
2層仕上がりじゃないので透明感があまりなく、レイヤリング法に比べると見た目が劣るので前歯には使用しないのが普通。
レイヤリング法とステイン法で値段を変えてる医院はあまりないと思います。
インレーが6万円、クラウンが8万円くらいかな。
セレックより強度も見た目もいい分少しお高め。
- 変色や金属アレルギーの心配がない
- 表面に汚れがつきにくい
- レイヤリング法だと天然の歯に近い透明感があり見た目がきれい
- ステイン法だと強度が高いので力がかかりやすい奥歯でも使える
- 自費診療なので高価
- レイヤリング法は土台が金属だったり色が濃かったりすると透けて暗く見える
- ブリッジ(2本以上連結したもの)は2本までなら作れるとしているところもあるが、基本的には作れない医院の方が多い
ジルコニアとは
作り方はe.maxとほぼ同じで、フレームの材料がジルコニアというセラミックに変わっただけです。
作り方も機械+手作業か、すべて機械の2種類で、機械+手作業は同じレイヤリング法と呼びますが、すべて機械の方は「フルジルコニア」と呼んでいます。
こちらもインレーとクラウン両方可。インレーは機械で作製します。
ジルコニアはe.maxよりも強度が高く、一般的な歯科医院で取り扱いがあるオールセラミックの中では一番硬いものになっています。
レイヤリング法はe.maxと同じくフレームとポーセレンの2層構造。
透明感がつけられたり色の自由が利くところはe.maxと同じで、とてもきれいな仕上がりになります。
また、ジルコニアはe.maxのように土台が透けるという心配がありません。
ある程度の強度もあるので、前歯にも奥歯にも使える万能くん。
芸能人や夜のお仕事の人などでめちゃくちゃ白い歯になってる人がいますが、このジルコニアを入れてることがほとんどです。
色もたくさん種類があるので自分の好みで選べるのが◎
オールセラミックの中で一番きれいで質も良いと言えるでしょう。
フルジルコニアはめちゃくちゃ硬い。とにかく硬い。e.maxステイン法より硬い。
ある程度の光沢や色はつけますが、白めの仕上がりになることがほとんど。
クラウンいろいろ試してきたけどどれも割れちゃったって人が使う最終手段だとわたしは思ってます。
硬すぎてかみ合わさってる反対側の歯にダメージが行く可能性があるので、よっぽど噛む力が強い人以外にはおすすめしないかな。
ジルコニアは万能なだけあってお値段も一番高い。
インレーで7万円くらい、クラウンは10万円くらい。
フルジルコニアだともうちょっと値段上げてる医院もあります。
昔はクラウン15万円くらいが相場でしたが、価格競争でちょっと下がりました。それでも高いけど。
- 変色や金属アレルギーの心配がない
- 表面に汚れがつきにくい
- レイヤリング法だと天然の歯に近い透明感があり見た目がきれい
- 天然の歯に近い色から、かなり白い色までカラーバリエーションが幅広い
- ブリッジ(2本以上連結したもの)にも使える
- フルジルコニアはかなり強度が高いので割れる可能性が低い
- セラミックの中で一番高価
- フルジルコニアは透明感があまりないので白っぽい仕上がりになる
オールセラミックは見た目、強度、値段が
ジルコニア>e.max>セレック
となっています。
ハイブリッドセラミックとは
ハイブリッドセラミックとは、冒頭にも書いたようにプラスチック(レジン)とセラミックを混ぜて作ったものです。
レジンは安価なので、ハイブリッドもセラミックの中では安くなっています。
インレーで3万円、クラウンで5万円くらい。
ただ、あまり強度が無いので力がかかる箇所だと割れるリスクがあります。
また、CRと同じで食べ物や経年劣化で変色します。
色も透明感はあまりないのでそこまできれいじゃないです。ちょっと黄色っぽい感じ。
- 金属アレルギーの心配がない
- セラミックの中では最も安価
- 飲食物や経年劣化で変色する
- 強度が低いので割れる可能性がある
- 色や見た目がe.maxやジルコニアには劣る
メタルボンドとは
メタルボンドとは、フレームを金属で作り、その上にセラミックを盛り付けたものです。
こちらはインレーはなくクラウンのみ。
50年ほど前から使われているもので、昔はセラミックだけではうまく形が作れないってことで、金属の上に盛り付ける方法が使われたようです。
金属を使っていることである程度の強度があり、前歯から奥歯まで使用することができます。
ただ、金属アレルギーの心配や、金属成分の溶け出しによる歯茎の変色が起こる可能性があります。
また、歯茎が痩せると被せ物と歯茎の間に隙間ができますが、この隙間にフレームの金属が露出して黒く見えることがあります。
全体的な見た目も、金属の上にセラミックを乗せているせいか、青白い感じになりオールセラミックに比べると劣ります。
昔からあるけど値段がずっと変わらない。10万円くらい。
どれでも使えるなら症例ならジルコニアでいいよね。
- 表面に汚れがつきにくい
- 変色しない
- 使用できない症例が少ない
- 金属の土台との相性がいい
- 金属アレルギーの心配がある
- 金属が溶け出して歯茎が黒ずむことがある
- 歯茎が痩せてできた隙間に金属が露出して黒く見える
- オールセラミックに比べると見た目が劣る
注意事項
すべてのセラミックに言えることですが、何かの拍子に割れることはあります。
セラミックは陶器です。お皿とかタイルとかと同じです。
お皿落としたら割れるのと同じで、過度な衝撃を与えれば割れます。
物をぶつけたり、氷とかカニの甲羅とか明らかに硬いでしょってものガリガリ噛んだら即割れると思ってください。
歯ぎしりや食いしばりでも割れます。
食いしばりは自分の体重くらい負荷がかかることもあるみたいですよ。
お皿踏んだら割れるのと同じですね。
また、歯並びの関係で自覚はないけど普通より負荷がかかっているってこともあります。
それから小さな刺激の積み重ねである日突然割れることもあります。
例えば、歯ぎしりや食いしばりで毎日小さな亀裂がセラミックに入っていて、ある日何もしていないのにいきなり割れたということもありえます。
歯科医院勤務時代に「セラミック割れたんだけど!!」とキレてきた患者さんがいて、セラミックはワレモノだって説明するのに苦労しました・・・
もちろん製品の欠陥ということも考えられますが、頭ごなしに割れた=粗悪品という考えではなく、ワレモノだし割れることもあるか~原因なんだろって気持ちを持ってもらえたら、歯科医院スタッフとしてはありがたいです。
まとめ
すべての人にすべてのセラミックが使えるというわけではなく、歯の残り具合、虫歯の進行具合、歯並び、かみ合わせ、噛む力などによって使えるものと使えないものが分かれます。
まずは先生にどのセラミックなら使えるのか聞いてみましょう。
その中で、予算や予後を考えてどれにするか決めるのがいいと思います。
ただ、金属を含んだものにした人は、10年もしたら歯茎の黒ずみや歯茎の痩せによる金属の露出が気になり、やり替えたいとなる人がかなりたくさんいます。
金属の露出はやり替えればどうにかなりますが、黒ずみは治らないことだってあります。
今後のことを考えると、金属を使ったものはおすすめできません。
また、医院によってはオールセラミックと混ざりもののセラミックの区別が明確にされていない場合があります。
「ジルコニア」や「e.max」といった材料名が出ていればいいですが、「セラミッククラウン」としか書かれていないものは要注意です。
蓋を開けたらハイブリッドセラミックだったということもありえます。
オールセラミックと混ざりもののセラミックをごちゃまぜにせず、きちんと分けて選ぶようにしましょう。
治療内容や金額の説明をされたら、その中から選んでそこの医院で治療を進めないといけないという気分になると思いますが、自費診療の金額設定は医院によってバラバラです。
全く同じものがあっちの医院だったら半額だったということだってあります。
治療を進めちゃったら、安い医院を見つけてももう転院できないということになる可能性が高いので、まずは治療を進める前に今後の治療内容や自費診療の金額を教えてくれる先生を見つけること、予算が合わない場合は治療を進める前に安い医院を探すことが大切です。
慣れた先生がいいということも大切ですが、いつも行ってるからって理由だけで決めてしまうと後悔するかもしれませんよ。